1. 自分がまだ青きユースの頃、私は絵を描くことにずっと夢中でした。
    デッサンの奥深さにはまり、油絵の終わらない葛藤に苦しみ、
    キャンバスを目の前に自分と向き合っていました。
    子供の頃から絵を描くことが、最高の自己表現だったから、
    大人になってもずっとこれが続くと思っていたのだけど、
    だんだんと全身全霊をかけたそのキャンバスに
    意味を見いだせなくなってきていた最中、
    必然と思っていた美大受験を直前でやめ、
    私はお洋服をつくりたいと決めたのでした。

    服は、全身全霊を傾けて作ったその先に
    誰かが喜んでくれる姿があって
    その「作品」が誰かの生活の一部に成り得るということが、
    自分にとってとても意味のあることだと強く感じたからでした。

    今から遡ること四年前、この仕事を始めて一〇年以上が経ち、
    お洋服とはまた違うもっともっと生活に溶け込める
    そしてもっともっと多くの人と共有出来るものは何だろうかと考えた時に、
    それはもしかして焼き物 なんじゃないか?と考えました。
    自分たちの手で真摯に向き合って生み出したものが、
    誰かの日々の食卓を生活を飾ることが出来たら
    それはとても嬉しいことだなって、
    私がお洋服の仕事を志したときのように
    ストンと素直な気持ちでビジョンを描けたのです。

    とはいえ、何のスキルも持たない私は「いつかの夢」として
    焼き物への想いを秘めたまま過ごしていたのですが、
    去年、運命的に長崎県/波佐見町で焼き物をつくられている
    マルヒロの馬場さんに出逢い、
    「いつかの夢」がTOWA CERAMICSという名を持ち、
    現実のものとなることが出来たのです。
    何度も何度も波佐見に通い、
    石屋さん、粘土屋さん、釉薬屋さん、原型師さん、型師さん・・・
    そしてもちろんマルヒロのみなさんとのふれあいの中から、
    ただ“商品”をつくるだけじゃない、それ以上の、なんというか、
    目に見えないけど、この作る過程もすべて超大切にしたい!
    という気持ちがどんどん膨らんで、
    みなさんが作業している間、この瞬間を逃したくない、
    この空気をずっと残していたいという
    一心でカメラのシャッターを切り続けました。
    私の中でつくることへの向き合い方が変わった瞬間だったと思います。

    今回ブランドを立ち上げたのに、
    たった一型しかないのは変かもしれないのですが、
    もう、このひとつのマグを作るのがやっとでした。
    今の私は何型もあったら気持ちが追いつかないかもしれないです・・・
    それでも伝えきれない想いや楽しさや、
    作っている人たちの手のぬくもりがあるから。
    とりあえずひとつめをこうして発表できてすごく嬉しいです!
    これからもどうぞよろしくお願いします!

    eri
  2. BLACK Series

    つやつやの白いLIPSシリーズの次に作りたかったのは黒。

    最初の白はいわゆる『石物』と呼ばれ陶石という
    石の粉に粘土を混ぜ合わせた土に釉薬をかけ焼き上げた磁器。
    その石の粉を原料とする石物は焼成することで
    半ガラス質になりあのなめらかな美しい表面となります。

    一方で『土物』と呼ばれる焼き物の原料は粘土。
    土の素朴な風合いや温かみを感じられるのが特徴です。

    まず今回黒を作るにあたって作業効率を考え、
    当初は白と同じ生地に黒い釉薬をかけて仕上げるつもりでしたが、
    どうしても焼いた後に底面から地肌の白が覗いてしまうのと
    表面感を変えたかったというのもあり、土を変更することにしました。
    ただLIPSシリーズはいわゆる通常のマグカップのように
    対称な形ではないので細かなディテールと全体の形状を
    キープし成形するのがとても大変なのですが、
    土によっては大きな歪みが出たり、
    型から抜きづらい場合があったりと非常に土選びが難航しました。
    試作を繰り返し最終的に行き着いた土が
    佐賀県塩田市で採取した砂岩(サガン)でした。細かい鉄分が多く、
    個体差や釉薬反応が出やすい表情豊かな砂岩ですが
    粘り気が少なくそのままでは成形に適さないので、
    さらにそこに磁器を混ぜオリジナルブレンドの陶土が完成しました。

    黒色の釉薬には黒伊羅保(イラボ)釉を選びました。
    黒伊羅保釉は灰ベースの鉄分を含む鉄釉の一種で
    釉肌が粗くイライラした釉調から
    「伊羅保」と名付けられたそうです。(かわいい)
    釉薬濃度、焼成温度などで変化する窯変釉で、
    さらに鉄分を通常の3倍に増やして黒い鉄のような表情を出しました。
    銀色がかった黒色はLIPSに重厚感を与え、
    窯から焼きあがってきた姿は
    それはそれは美しくとうとう完成と相成りました。

    すこし怪しげでセクシーな黒いLIPSには
    紫色のキャンドルを充填しました。(芯まで紫にしてもらったのです!)
    今回もキャンドルは同じく長崎にある野田商店さんにお願いしています。
    障害者施設・幸房かおりやさんと連携して作られた
    使用済みロウソクを原料にして作られた
    スローライフキャンドルを使用しています。
    焼きあがったキャンドルホルダーを野田商店さんへ。
    そこで作業員の方々が丁寧に手作業で充填してくださっています。

  3. LIPS CANDLE

    第一弾のプロダクト、長崎/波佐見で作られたLIPS MUGを
    キャンドルホルダーにアレンジ。
    中身のキャンドルは同じく波佐見の野田武一商店の“スローライフキャンドル”を採用。

    “スローライフキャンドル”とは、使われなくなったローソクをリサイクルし、
    昔ながらの製造機を使用し、地元の障がい者福祉施設と連携し作られたキャンドル。
    やわらかな灯りとともにハンドメイドのあたたかさが伝わってくるようなアイテムです。

    燃焼時間はおよそ12時間。
    キャンドルとして使用したあとは、花器やペン立て、
    オーナメントとしても幅広くお楽しみ頂けます。

  4. LIPS MUG

    このLIPS MUGは波佐見町から少し車を走らせたところに
    工房をもっていらっしゃる 原型師の野口さんが、
    なんと84年(32年も前)にデザインされたもの。
    初めて野口さんの工房を訪れた際、
    このマグの原型となるカップでコーヒーを出された時に
    そのあまりの美しさに一目惚れをして、
    これをリプロダクトさせて欲しいと
    お願いし快諾して下さったのがTOWA CERAMICSの皮切りでした。
    新たに野口さんが原型を起こし、小振りだったオリジナルから、
    たっぷり入る350ccサイズに変更し今の形が生まれました。
    彼 の手によってつくり出された唇は、
    口をつけると驚くほどフィットし滑らかに液体が口の中へ運ばれます。
    釉薬は、美しい人の肌の質感をイメージし
    すこし青みがかった乳白色に仕上げました。
    耳を連想させるマグの持ち手にはピアスの穴が。
    これも1984年当時のデザインそのままです。
    日々の食卓のアクセントに、贈り物に。
    オーナメントやペン立て、花器として、
    その存在感とどこか神秘的な佇まいは色んなシーンに
    すこしの違和感とユーモアを与えてくれるでしょう。
    このマグに合わせて作られたボックスはそのまま贈答用としても。
    表に描かれたデッサンは野口さんが原型を作られる前に描かれたものを
    ベースにデザインしました。

  5. LIPS CANDLE

    QUALITY / CERAMICS
    SIZE / 92mm × 100mm × 78mm
    BURNING TIME / 12HOURS

  6. LIPS MUG

    QUALITY / CERAMICS
    SIZE / 123mm × 100mm × 78mm

  7. LIPS MUG BLACK

    QUALITY / CERAMICS
    SIZE / 123mm × 100mm × 78mm

  8. LIPS CANDLE BLACK

    QUALITY / CERAMICS
    SIZE / 92mm × 100mm × 78mm
    BURNING TIME / 12HOURS